2026.4.9

死後事務とは? 誰がやる? 具体的な内容と必要性を解説【弁護士解説】

終活コラム

監修者 弁護士 平松 剛

弁護士法人平松剛法律事務所 代表社員
一般社団法人サポート平松剛 代表理事

「自分が亡くなった後、手続きは誰がやるのか」
「身寄りがない場合はどうなるのか」


このような不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
人が亡くなった後には、想像以上に多くの手続きが必要になります。
しかし、これらは基本的に家族や親族が行うことを前提としています。
そのため、おひとりさまや家族と疎遠な方の場合、死後の手続きが適切に行われないリスクがあります。
本記事では、死後事務の内容と必要性について、弁護士の立場から実務的に解説します。

目次

死後事務とは?

死後事務とは、亡くなった後に必要となる各種手続き全般を指します。
具体的には、葬儀や行政手続き、契約の解約、遺品整理など、多岐にわたります。


死後事務の主な内容

① 葬儀・火葬の手配

  • 葬儀の実施

  • 火葬手続き

  • 納骨・供養

② 行政手続き

  • 死亡届の提出

  • 年金停止

  • 健康保険の資格喪失

期限があるため迅速な対応が必要です。

③ 各種契約の解約

  • 電気・ガス・水道

  • 携帯電話

  • クレジットカード

④ 住居の明け渡し

  • 賃貸物件の退去

  • 原状回復

  • 家財整理

⑤ 遺品整理

実務上、最も負担が大きい作業の一つです。


死後事務は誰がやるのか

多くの場合は、家族や相続人が行います。
しかし、

  • 身寄りがない

  • 親族と疎遠

  • 頼める人がいない

といった場合には、対応する人がいないという問題が生じます。


実務上よくあるトラブル

弁護士として関与する中で、特に多いのが「お金」と「不動産」に関する問題です。

① 費用負担をめぐる親族間トラブル

死後事務には費用がかかります。

  • 葬儀費用

  • 退去費用

  • 遺品整理費用

などです。
しかし、「誰が支払うのか」が明確でないままトラブルになるケースが少なくありません。
実際には、

  • 親族同士で負担を押し付け合う

  • 手続きが止まる

  • 最終的に対応が遅れる

といった問題が生じることがあります。

② 不動産の名義変更をしないリスク

不動産を所有している場合も注意が必要です。
相続後に名義変更を行わないまま放置すると、

  • 売却や活用ができない

  • 相続人が増えて権利関係が複雑になる

  • 管理が行き届かずトラブルになる

といったリスクがあります。
「誰のものか分からない不動産」になってしまうケースもあります。

③ 手続きの放置による問題

対応する人がいない場合、

  • 賃貸物件が放置される

  • 葬儀が行われない

  • クレジットカードやローンの支払いが滞り、延滞金が増えてしまう

といった事態も起こり得ます。

死後事務は、誰かが確実に行わなければならないものです。


死後事務に備える方法

こうしたトラブルを防ぐためには、事前の準備が重要です。

死後事務委任契約の活用

死後事務委任契約とは、自分の死後の手続きを、あらかじめ第三者に任せておく契約です。

メリット

  • 誰が対応するか明確になる

  • 費用負担の混乱を防げる

  • 手続きが確実に実施される

親族間トラブルの予防にもつながります。

なぜ事前準備が必要か

死後のことは、亡くなった後に決めることはできません。
元気なうちに決めておくことが不可欠です。


弁護士の実務から見たポイント

弁護士として感じるのは、「死後の問題は、準備していない場合にこそ大きくなる」という点です。
特に、

  • 金銭負担

  • 不動産

  • 手続きの責任

は、後から解決しようとすると複雑化しやすい分野です。
そのため、早い段階で整理しておくことが重要です。


まとめ|死後事務は「トラブル予防」のための準備

死後事務は単なる手続きではなく、トラブルを防ぐための重要な準備です。

  • 誰が手続きを行うのか

  • 費用はどのように準備するのか

  • どのような手続きが必要になるのか

これらを事前に決めておくことが、安心につながります。


ご相談について

当法人では、死後事務、身元保証、任意後見を含めた終身サポートについてご相談を受け付けています。
なお、不動産の名義変更や遺産分割などの相続手続きは、通常、死後事務には含まれません。
これらの相続に関する事項については、提携する弁護士法人平松剛法律事務所と連携し、適切なご案内を行っております。
また、ご希望に応じて、遺言作成などの相続対策についてもサポートが可能です。
「死後の手続きに不安がある」
「具体的に何を準備すればよいか知りたい」
という方は、お気軽にご相談ください。

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