60歳からの年金準備|受給前に必ず知っておくべき制度と手続き【弁護士解説】
終活コラム

監修者 弁護士 平松 剛
弁護士法人平松剛法律事務所 代表社員
一般社団法人サポート平松剛 代表理事
60歳を迎える頃になると、「年金はいつから受給できるのか」「年金の手続きはどうすればよいのか」といったご相談が増えてきます。
特に最近では、「年金申請の方法がわからない」「受給できる年金の種類がわからない」といったお悩みも多く寄せられています。
実際に、提携法人である弁護士法人平松剛法律事務所では、障害年金の受給申請に関するご相談・お問い合わせが増加している状況にあります。
これは、年金制度の複雑さや、ご自身での手続きの難しさが背景にあると考えられます。
本コラムでは、弁護士の視点から、年金受給前に知っておくべき制度の基本と手続きのポイントについて解説いたします。
目次
年金制度の基本|老齢年金と障害年金の違い
年金制度には複数の種類がありますが、代表的なものは以下の通りです。
老齢年金(65歳から受給)
障害年金(病気やけがにより生活や仕事に制限がある場合)
特に障害年金については、「自分は対象になるのか分からない」という理由で申請をしていない方も多く見受けられます。
しかし、実際には、
うつ病や精神疾患
がんや糖尿病などの慢性疾患
脳梗塞後遺症や関節障害
などでも受給対象となる可能性があります。
さらに注意が必要なのが、障害年金の請求には年齢に関する重要な制約があるという点です。
障害年金には「請求できるタイミング」に注意が必要
障害年金は、原則として初診日(最初に医療機関を受診した日)が65歳未満であることが要件の一つとされています。
つまり、
初診日が65歳以降の場合 → 原則として障害年金の対象外となる可能性があります
また、請求自体についても、
65歳以降に初めて請求する場合には制限がある
老齢年金との関係で選択が必要になるケースがある
など、年齢によって取り扱いが複雑になります。
そのため、「まだ大丈夫」と考えて手続きを先送りにしてしまうと、本来受給できたはずの障害年金を受け取れなくなるリスクがある点には注意が必要です。
老齢年金は「いつから」受け取れるのか
老齢年金は原則として65歳から受給開始となりますが、以下のように調整が可能です。
繰上げ受給(60歳~64歳) →早く受け取れるが減額(生涯継続)
繰下げ受給(66歳~75歳) →遅らせることで増額
この選択は、「年金をいつから受給するか」という重要な判断であり、生活設計に大きな影響を与えます。
年金申請・手続きでよくある誤解
弁護士として強調したいのは、年金は自動的に支給されるものではないという点です。
よくある誤解として、
「年齢になれば自然に振り込まれる」
「何もしなくても受給できる」
といったものがありますが、実際には必ず年金請求(申請手続き)が必要です。
手続きの流れは以下の通りです。
年金請求書の受領
必要書類の準備
年金事務所へ提出
審査後に支給開始
また、障害年金の場合はさらに、
初診日の証明
診断書の取得
病歴・就労状況等申立書
など、専門的な書類が必要となり、手続きの難易度が高いのが特徴です。
60歳前後で必ず確認すべきポイント
年金トラブルを防ぐために、以下の点は必ず確認しておきましょう。
① 年金記録の確認(ねんきん定期便・ねんきんネット)
未納や記録漏れは受給額に影響します。
② 受給資格(老齢年金:加入期間10年以上)
不足している場合は任意加入の検討が必要です。
③ 働きながらの受給(在職老齢年金)
収入によっては年金が減額される場合があります。
年金だけでは解決できない老後の問題
年金に関するご相談とあわせて、以下のような不安も多く寄せられます。
身元保証人がいない
将来の生活支援に不安がある
認知症になった場合の財産管理
死後の手続きが心配
これらはすべて、事前の法的対策によって解決可能な問題です。
老後の安心をトータルで考える
年金の準備とあわせて、
任意後見契約
遺言作成
身元保証
死後事務
といった備えを進めることで、将来の不安を大きく軽減することができます。
一般社団法人サポート平松剛では、これらを一体的に支援する体制を整えています。
まとめ|早めの準備が安心につながる
年金制度は複雑であり、正しい知識と適切な手続きが求められます。
60歳という節目は、「年金をどう受給するか」「老後をどう過ごすか」を見直す重要なタイミングです。
将来の安心のために、早めの準備と、必要に応じた専門家への相談を検討されることをおすすめいたします。







