2026.4.19

身寄りがない人の死後はどうなる? 手続きの流れと遺言の重要性を解説【弁護士解説】

終活コラム

監修者 弁護士 平松 剛

弁護士法人平松剛法律事務所 代表社員
一般社団法人サポート平松剛 代表理事

身寄りがない方が亡くなった場合、死後の手続きはどのように進むのでしょうか。
ここでは、実務上の流れを時系列で見ていきます。

目次

 亡くなった直後〜数日以内

まず、死亡が確認されると、

  • 医師による死亡確認

  • 死亡診断書の作成

  • 警察への連絡(状況による)

が行われます。
身寄りがない場合、発見が遅れるケースもあり、対応が通常より遅れることもあります。

初動対応で問題となるポイント

この段階で実務上よく問題となるのが、「誰に連絡すべきか分からない」という点です。
身寄りがない場合、

  • 緊急連絡先が不明

  • 対応すべき人がいない

といった理由から、対応が滞ることがあります。

事前準備によって対応をスムーズにできる

こうした問題に対しては、事前の準備によって対応をスムーズにすることが可能です。
例えば、死後のことを任せている事業者がいる場合には、

  • 緊急連絡先として警察や関係機関に伝えておく

  • 自宅の分かりやすい場所に連絡先を掲示しておく

といった方法があります。
このような準備があるかどうかで、その後の手続きの進み方に大きな差が出ます。

数日〜1週間程度

次に、

  • 親族や関係者の調査

  • 連絡先の確認

が行われます。
しかし、親族が見つからない、または対応できないケースも少なくありません。
その場合、行政や関係機関が関与することになります。

1週間前後〜

葬儀・火葬については、

  • 親族が対応する

  • 対応者がいない場合は自治体が実施する

といった形になります。
身寄りがない場合、葬儀はせず火葬のみ(直葬)のケースが多いです。

※なお、火葬の時期については必ずしも上記期間内に行われるとは限りません。
警察が関与する場合には検視や解剖等により遺体の引き渡しまでに時間を要することがあり、また火葬場の混雑状況によっても左右されます。
そのため、実際には火葬までに数週間程度かかるケースもあります。

その後(数週間~数か月以上)

問題となるのが、その後の手続きです。

  • 財産の整理

  • 不動産の管理

  • 各種契約の解約

などが必要になります。
ここで「誰が対応するのか」という問題が顕在化します。


遺言がない場合に起こる問題

身寄りがない方の場合、遺言の有無は非常に重要です。
遺言がない場合、実務上は次のような問題が生じます。

相続人が分からず手続きが進まない

身寄りがないと思っていても、

  • 遠方の親族

  • 疎遠な親族

が相続人となる可能性があります。
しかし、連絡が取れず、手続きが長期間止まるケースもあります。

財産が凍結・放置される

相続人が確定するまで、

  • 預金が動かせない

  • 不動産が放置される

といった状態になります。
実務上、管理されない不動産が問題になるケースもあります。

最終的に国庫に帰属する可能性

相続人がいない場合、

  • 相続財産の清算人が選任され

  • 手続きが行われた後

財産が国に帰属することがあります。

本人の意思が反映されない

遺言がない場合、

  • 誰に財産を渡すか

  • どのように処理してほしいか

本人の意思は基本的に反映されません。


遺言がある場合の違い

一方で、遺言がある場合には状況が大きく変わります。

手続きがスムーズに進む

遺言により、

  • 財産の承継先

  • 手続きの方向性

が明確になるため、
無用な混乱を防ぐことができます。

遺言執行者を指定できる

遺言では、遺言執行者(手続きを実際に行う人)を指定することができます。
遺言執行者がいることで、

  • 財産の分配

  • 金融機関での手続

  • 不動産に関する諸手続

が円滑に進みます。
特に身寄りがない場合には、誰が手続きを行うのかを明確にできる点が大きなメリットです。

手続きの停滞を防げる

遺言と遺言執行者の指定により、

  • 手続きが止まる

  • 誰も対応しない

といった事態を防ぐことができます。
実務上、非常に重要なポイントです。


弁護士の実務から見たポイント

弁護士として実務に関与する中で感じるのは、「遺言があるかどうかで、死後の負担が大きく変わる」という点です。
特に、

  • 遺産の分配の決定

  • 不動産管理の問題

  • 手続きの長期化

は、遺言がない場合に顕著に表れます。
事前の準備により、多くの問題を回避することが可能です。


身寄りがない方が準備しておくべきこと

安心のためには、

  • 遺言の作成

  • 死後事務の委任

  • 身元保証の検討

を組み合わせて考えることが重要です。
生前から死後までを一体で設計することが、最も確実な対策です。


まとめ|遺言は「手続き」と「想い」の両方を残すもの

身寄りがない方の場合、遺言の有無によって、死後の状況は大きく変わります。

  • 手続きが円滑に進むか

  • 誰が対応するか

  • 財産がどのように処理されるか

これらをコントロールできるのが遺言です。


ご相談について

当法人では、

  • 遺言作成

  • 死後事務

  • 身元保証

を含めた終身サポートについてご相談を受け付けています。
「自分の死後に不安がある」
「何から準備すればよいか分からない」

という方は、お気軽にご相談ください。

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