2026.4.23

墓じまい・改葬の費用はいくら? 相場と内訳をわかりやすく解説【弁護士解説】

終活コラム

監修者 弁護士 平松 剛

弁護士法人平松剛法律事務所 代表社員
一般社団法人サポート平松剛 代表理事

「墓じまいにはいくらかかるのか」
「何にどれくらい費用がかかるのか分からない」

このように感じている方も多いのではないでしょうか。
墓じまい・改葬(お墓の引っ越し)は近年増えている終活の一つですが、費用の内訳が分かりにくく、想定より高くなるケースも少なくありません。
この記事では、墓じまいにかかる費用の相場と内訳について、分かりやすく解説します。

目次

 墓じまい・改葬が増えている背景

近年、墓じまい・改葬を検討する方が増えています。
その背景には、

  • お墓を継ぐ人がいない

  • 遠方で管理が難しい

  • 高齢化による負担増

といった事情があります。
総務省行政評価局の「墓地行政に関する調査」(2023年公表)によると、公営墓地のある市町村の約6割で、無縁墓が存在するとされています。
お墓を維持できないケースが社会的に増えていることが分かります。
このような背景から、墓じまいは特別なことではなく、
現実的な選択肢の一つとして検討されるようになっています。


墓じまい・改葬の費用相場

墓じまいにかかる費用は、一般的に30万円〜150万円程度が目安です。
ただし、

  • 作業の内容

  • その後の方針

によって大きく変わります。
ケースによっては200万円以上になることもあります。


墓じまい・改葬の費用内訳

墓じまいの費用は、主に次の項目に分かれます。

① 墓じまいの儀式の費用(3万~10万円程度)

墓石に対する宗教的な区切りの儀式にかかる費用です。
たとえば、

  • 仏教では「閉眼供養」「魂抜き」

  • 神道では「遷霊祭」「御霊抜き」

  • キリスト教では「祈祷」

が行われます。
宗教や宗派、個々の寺院・神社・教会によって金額が変わります。

② 墓石の撤去費用(20万〜80万円程度)

墓石の解体・撤去にかかる費用です。

  • 墓石の大きさ

  • 重機の使用可否

  • 搬出経路

によって金額が変わります。
現地の状況によって費用差が大きく出る項目です。

③ 離檀料(0〜50万円程度)

寺院墓地では離檀料が発生する場合があります。
離檀料が契約で定められている場合には、その内容に従って支払う必要があります。
契約に定めがない場合は、原則として支払義務はありませんが、これまでのお礼として任意で支払うケースもみられます。

④ 行政手続き費用(数千円〜1万円程度)

改葬には、改葬許可申請などの手続きが必要です。
主な自治体では、

  • 元の墓地の管理者から「埋蔵証明書」を取得

  • 新たな納骨先(墓地・納骨堂)から「受入証明書」を取得

  • 「改葬許可申請書」とあわせて、元の墓地がある自治体に申請

  • 「改葬許可証」を新たな納骨先に提出

の手続きをすることで、遺骨を移すことができます。
これらの手続きは遺骨ごとに必要となる点に注意が必要です。
費用自体は大きくありませんが、書類の準備や手続きに手間がかかる部分です。

⑤ 遺骨の移動費用(0万〜20万円程度)

遺骨の移動にも費用がかかります。
自分で移動するなら交通費や燃料費程度ですが、特に業者に依頼する場合は、遺骨の数や移動先への距離によって費用が変わり、遠方への移動や遺骨が多数ある場合は金額が上がります。

⑥ 新たな供養・祭祀先の費用(10万〜100万円以上)

墓じまい後の供養・祭祀の方法によって費用が発生します。

  • 永代供養墓:10万〜50万円程度

  • 納骨堂:20万〜100万円程度

  • 散骨:5万〜30万円程度

といった選択肢があり、それぞれ方法や費用が異なります。
総額に大きく影響するポイントです。


費用が高くなるケース

実際には、費用が想定より高くなるケースもあります。

立地条件による影響

重機が使えず手作業になるケース、
たとえば

  • 山間部や高台の段差が多い墓地

  • 通路が狭い墓地

  • 墓石が密集する墓地

などでは作業費用が高くなります。

墓石の形態による影響

大型の墓石や、外柵や基礎と一体になった墓石は、解体や撤去自体の作業量が多い分、作業費用が高くなります。

供養・祭祀方法による差

どの方法を選ぶかによって、総額が大きく変わります。
管理が行き届いた施設ほど高額になります。


弁護士の視点|注意すべき点と対策

墓じまい・改葬では、費用以外のトラブルにも注意が必要です。

親族間のトラブル

  • 誰が費用を負担するのか

  • 墓じまいに対する意見の違い

などをめぐって、親族間でトラブルになることがあります。
なお、遺骨やお墓の管理については、法律上「祭祀主宰者」と呼ばれる人が判断する立場にあるとされています(民法897条)が、親族間の感情的な対立に発展することもあるため、事前に十分な話し合いをしておくことが重要です。

寺院とのトラブル

離檀にあたって、費用と手続きをめぐりトラブルになるケースがあります。
たとえば、

  • 高額な離檀料を要求される

  • 払わなければ手続きをしないと脅される

などのケースが実際に起こっています。
百万円単位に及ぶような高額な離檀料は、たとえ契約で定められていても、公序良俗(民法90条)違反として無効となると考えられています。


墓じまい・改葬の費用を抑えるポイント

費用を抑えるためには、

  • 複数の業者から見積もりを取る

  • 墓地管理者との契約を事前に確認する

  • その後の供養・祭祀の方法を比較検討する

ことが重要です。
全体の費用を把握してから進めることが大切です。


まとめ|墓じまい・改葬は「総額」で考える

墓じまい・改葬の費用は、30万〜150万円程度が目安ですが、内容によって大きく変わります。
重要なのは、

  • 撤去費用だけでなく

  • 供養・祭祀費用も含めた「総額」で考えることです。

事前に全体像を把握することで、後悔のない選択につながります。


ご相談について

「墓じまい・改葬の費用が不安」
「どの方法がよいか分からない」

という方は、状況に応じた進め方を検討することが重要です。
お気軽にご相談ください。

カテゴリから探す

タグから探す

TOP

>

終活を学ぶ読み物

>

終活コラム

>

墓じまい・改葬の費用はいくら? 相場と内訳をわかりやすく解説【弁護士解説】

© support-hiramatsu-go. All Rights Reserved.