「入院したとき、誰も見舞いに来てくれなかった」子どもがいても感じる孤独の話
サポートの現場から
「入院したとき、子どもたちは誰も見舞いに来なかったんです」
そう静かに話されたのは、相続について相談に来られたある方でした。
お子さんがいないわけではありません。
みな独立し、それぞれ遠方で生活をしているとのことでした。
特別に仲が悪いわけではない。
ただ、長い年月の中で、自然と会う機会が減っていったそうです。
相続の相談というと、「財産が多い方」や「親族関係が複雑な方」がするものと思われがちです。
ですが、この方はそうではありませんでした。
病気で入院したことをきっかけに、「これから先のことを、自分で準備しておかなければ」と考えるようになったそうです。
入院中は、親しい友人たちが自宅の様子を見に行ってくれたり、身の回りのことを気にかけてくれたりした一方で、お子さんたちは仕事や家庭の事情もあり、なかなか見舞いに来ることができなかったとのことでした。
その経験から、
「自分に万が一のことがあっても、子どもたちに負担をかけたくない」
「自分のことは、自分で準備しておかなければいけない」
と思うようになったと話されていました。
そして、
「家族がいても、孤独を感じることがあるんですね」
という言葉が、とても印象に残っています。
少し前までは、「子どもが親の面倒を見るのは当たり前」という考え方が一般的だったかもしれません。
ですが今は、子ども世代にも仕事や家庭があり、住む場所も離れていることが珍しくありません。
親子関係が悪いわけではなくても、距離や生活環境の変化によって、自然と関わり方が変わっていくこともあります。
そして、そうした変化の中で、将来への不安を感じる方も増えているように感じます。
こちらの方は、最終的に遺言書を作成されることになりました。
遺言というと、「財産をどう分けるか」を決めるものというイメージを持つ方が多いかもしれません。
ですが実際には、それだけではありません。
たとえば、
葬儀をどのようにしてほしいか
納骨についての希望
お世話になった方への感謝の気持ち
など、自分の思いや希望を書き残すこともできます。
相続対策は、「財産が多い人だけがするもの」ではありません。
これから先、自分らしく安心して過ごすための準備として、早めに考えておくことも大切なのかもしれません。
※プライバシー保護のため、事案の内容は一部変更しています。







